私が美容外科クリニックを開いてから17年が過ぎました。このホームページを開設して7年ほどが経過しましたが、この7年間を通して感じることは、インターネットの普及によって患者さん達の美容外科に対する知識、意識に大きな変化が生じているとゆう事実です。元来、医療広告規正法とゆう制限のもとに病院の情報開示は大きな制限を受けていました。(最近、若干変更されましたがわずかに緩くなったのみです)例えば、医師の経歴や肩書き、得意な診療、設備など、本来、患者さんの側からすれば知る権利のある情報も、たとえ病院が提示したくてもできないとゆう不可思議な状態が現在も続いています。私は一時期、日本美容医療協会の広告審査の委員をしていましたが、週刊誌、雑誌などの広告で許されていたのは、クリニック名、院長名、住所、電話番号、地図、厚生省の認可した診療科名(美容外科、皮膚科など)だけでした。それでは10年以上前から女性雑誌に掲載されている1ページ〜数ページにわたる膨大な宣伝は全部違法だったのかといえば、基本的には違法ですが、以前よりこの抜け道とされていたのは、クリニックの発行する書籍や、ビデオの広告とゆう体裁をとることでした。注意深く広告ページを眺めると何処かに小さく本やビデオの紹介がされていると思います。あるいは、病院の宣伝ではまずいので、何とか研究所などの名前にしている場合もありました。いずれにせよ、こうした雑誌などの広告媒体に大きなスペースの宣伝をするためには、膨大なお金が掛かります。それをペイするためには膨大な数の手術をする必要があり、また、広告の効果を効率良くするためには、同名のクリニックを全国にチェーン展開することが賢い方法だったのだと思われます。こうして、この10数年間に数々の有名チェーンクリニックができてゆきました。最近、特にここ5〜6年、インターネットによって医療情報を求める患者さんが増加し、またそれに対応する様に美容外科の側でも美容外科学会や、美容医療協会がホームページを開設し、それぞれの病院も独自のホームページを作りだしたため、患者さんが得られる情報は飛躍的に多くなっていると思います。
長くなりましたが、実はここからが本題です。私のクリニックはホームページ以外、全く広告をしていないので、いらっしゃる患者さんは口コミの紹介か、インターネットで調べてくる方がほとんどですが、最近2〜3年の傾向を見ていて感じる事は、情報を集めすぎてかえって頭が混乱してしまっている人がけっこういます。ここにはこう書いてあった、あそこにはこう書いたあったと調べれば調べるほど色々な意見があり、どれを信用したらいいのか疑心暗鬼に陥ってしまう。情報が増えれば増えるほど良いこともあれば弊害もあります。ひとつ簡単に言ってしまえば医師の意見は皆、違って当たり前です。学会などでも、ある件に関して全員の見解が一致する事などありません。また、それがホームページであっても宣伝文句は当然あります。本当のことも嘘も含まれているでしょう。嘘や間違いといっても、確信犯の場合もあるでしょうし、本人はそう信じている場合もあるでしょう。何より医療の現場では原因や結果が医師自身にもよく判らないことはたくさん在るのです。また、具体的なことで言えば、患者さんのものの考え方や感性、生活条件、職業などによってどんな手術を勧めるべきか、断るべきかもおのおののケースで異なります。インターネットとゆう便利なものはおおいに活用するべきだとは思いますが、たとえパソコンの前に何十時間座って調べてもそれで完璧な知識など得られることはありません。むしろ、ある程度の目安をつけたら2軒でも3軒でも実際に病院を訪れてみて、ご自身の顔や体の悩みを直に医師に診察してもらって意見を聞いて、また逆から言えば自分の目で担当する医師の評価をして、よく考えてから治療に望んでください。
最後にもうひとつ、インターネットで調べてかなり遠方からわざわざ私のクリニックに来てくださるかたがいらっしゃいます。有難い事だとは思いますが、美容外科といっても外科手術である限り術後絶対になんの問題も起きないとは言えません。でき得るなら近くの医療機関のほうが術後のフォローの為には良いと思います。我々の所属する日本美容医療協会も、日本美容外科学会も、団体のホームページを持っていますので、それらを参考にまずお近くの医療機関に相談してみても良いのではないかと思います。ある程度の経験とまっとうな経歴をもつ医師であれば、実際の技術にそれ程極端な差は無いと思います。そして患者さんが実際に会ってみて信頼できそうであれば、治療を受ける病院はやはり近いにこしたことはないと思います。