石田クリニックQ&A

鼻の手術に関してよくある質問にお答えします。

最近、インターネットの普及により、患者さんから受ける質問がずいぶん変わってきています。例えば、鼻先の形成術において、私のところではオープン法かクローズ法か?とか、鼻先に耳の軟骨を移植したくないのですが、それでも鼻先を細くできますか?とか、鼻先の軟骨を縫合しないで手術できますか?とか鼻先を細くすると鼻が上向きになって鼻の穴が見えやすくなりませんか?とか、シリコンはI型では下にズレてきませんか?とか、シリコンは、いつか必ず入れ替えるか抜くかする必要があるのではないか?とか、あるいは、アグラ鼻に関して、全く表面に傷をつけずに内側だけで手術できないか?などなど、こうして挙げていくだけできりが無い程、色々な質問を受けます。今回、HPを更新するにあたって、これらの質問にできるだけこのHP上でお答えしておこうと思いました。
そう考えたもう一つの理由は、上に挙げた患者さん側の変化だけではなく、医師側、クリニック側にもこの10年間でかなりの変化が見られると思ったからです。一昔前は、単純にシリコンを挿入するのみの、いわゆる隆鼻術がほとんどで、手術のやり直しにみえる患者さんも、大多数の方は、単純にシリコンが挿入されているだけでした。特に膨大な広告によって、数多くの患者さんを集め、多数の医師が手術を行ういわゆるチェーン店化したクリニックでは、鼻尖形成術のような複雑で難しい手術はあまりしていなかったのですが、だいぶ事情が変わってきています。最近では、二次修正にこられる患者さんのなかで、なんらかのかたちで鼻先を細くするための手術を施されている割合が増えています。
従来、鼻先の皮膚が厚く、脂肪が多く、軟骨の発達の悪い日本人においては、鼻先を細くする手術は効果がないので勧められないと多くの美容外科医が思い、だからこそ、日本ではL型シリコンがこんなにも普及したという経緯があります。私自身は、必ずしも鼻先を細くする手術が日本人に効果がないとは考えていませんでしたし、実際、15年以上にわたってこの手術を専門にしてきた訳ですから、この手術の普及はある意味喜ぶべき事なのですが、問題もあります。鼻先の形成術は、易しくありません。しかも、二次修正はその何倍も難しくなります。私自身が、15年以上この手術を専門にやってきて、それでも毎回難しいと思っています。最近、患者さんがおっしゃる事の中に気になることがいくつかあります。他のクリニックでシリコンをいれる時、ついでに鼻先の脂肪を少し取った、とか、あまり、効果は無いと思うけどと言われながら鼻先の手術をした、などという話です。
鼻先の手術はシリコンのついでにやるほど簡単なものではありません。また、どうせあまり効果はないといいながら、一応やってみるというような安易なものではないのです。
単純にL型やI型のシリコンを挿入する手術なら、極論すれば、その医師が信頼できそうであれば、日本全国どこで手術しても構わないと思います。やり直しもさほど難しくないからです。しかし、鼻先の形成術は、ある程度キャリアがあり、その手術に自信をもっている(自信自体が勘違いの場合もありますが)医師にしてもらってほしいと思います。
前書きが長くなりました。それでは、よくある質問に答えていこうと思います。

鼻の質問―概論

1.鼻先の形について悩んでいます。
 鼻先が太くダンゴのようなので細くしたいのですが、できればシリコンなどの異物を使わずにできないものでしょうか?

1. 基本的に鼻先を細くするためにシリコンは必要ありません。鼻先の余分な脂肪や軟骨を取り除いて横に開いた鼻先の軟骨を中央に寄せる事で細くする事が可能です。この時、鼻先を尖らせたり鼻柱を下方に出したりするために耳の軟骨を移植したりすることもできます。鼻先を細くする手術では術後6日間(手術日を含む)は固定のためギブスをしますので、マスクをすればほとんど隠せますが、この間人前にはでられません。

 費用は25万円です。(消費税別途)


2.鼻を高くしたいのですがどんな方法があるのでしょう。
 よく聞くシリコンというのは危険ではないのでしょうか?他にも鼻を高くする方法はあるのでしょうか?また、シリコンは鼻先が硬くなってしまうのでしょうか、形は色々種類があるのですか?

2.現在日本で行なわれている鼻を高くする手術、いわゆる隆鼻術のほとんどはシリコンを使用しています。雑誌の広告などでプロテーゼとか人工軟骨と書かれているものもすべてシリコンです。シリコンが安全かどうかといえば、現在人体に使用されている異物のなかでは最も安全といえます。
 実際鼻やアゴにシリコンが入っている人は少なく見積もっても何十万人はいると思われ、またそれを挿入する技術もさほど難しいものではないので、これだけ広く行なわれているわけです。ただし、あくまでも異物なので100%安全とは言い切れません。

 異物とはいえ免疫反応(アレルギー)はほとんどありませんが、細菌感染を起こすことはごくまれにあります。感染が起きた場合は一旦取り出して入れなおす必要があります。どのくらいの確率でそういった事がおきるか一概にはいえませんが、私が約17年間鼻の手術を専門にやってきて、5千人以上の患者さんを見た限りではかなり低い確率です。

 シリコン隆鼻をされた患者さんの、結果に満足が行かない場合の多くはシリコン自体の問題というよりむしろデザイン、大きさ、曲がり、偏位(ズレ)、指で触ると動く、などの手術した医者の責任である場合が多いように思います。
シリコン以外で鼻を高くする材料としては、自家組織移植といって自分の耳の軟骨や、頭や太腿の筋膜、真皮という皮膚の表皮を取り除いたものなどがあります。どれも一長一短があり一概には言えませんが、ある程度シャープな鼻のラインをだすには、軟骨が必要です。自家組織移植の手術は複雑なので詳しいことはクリニックにおいでになって、直接説明を受けてください。
シリコンの形には大きく分けて二つあり、I型とL型があります。
目と目の間から鼻先まですべてを高くし、鼻先を尖らせたい場合はL型、鼻先は変えなくても良ければI型というのが大雑把な分け方ですが、L型を入れると鼻先はやはりある程度硬く触れます。無理に尖らせれば皮膚が薄くなり、最悪の場合皮膚が破れることもあります。安全性の面から言えば、もし鼻先にあまりコンプレックスがなければ、I型を用い、鼻先には何も入れないか、鼻先は前に述べた(鼻先の形成術)をおこなうという考えもあります。

費用はI型では23万円、L型では25万円、自家組織移植は30万円〜です。(税別途) 


3.鼻がアグラをかいたように見えて気になっています。
 どのような手術で治せますか?傷は見える所につくのでしょうか?

3. 前に述べた鼻先の手術と異なりアグラ鼻の手術は表に傷がつきます。といっても小鼻の付け根の部分に数ミリですからあまり目立つものではありませんがどんなにきれいでも傷は傷です。
小鼻のワキの部分は脂腺というアブラのでる腺が多くあり傷がきれいになりにくいので、私は最近ではできるだけ小鼻の下のほうだけしか切らず、鼻の穴の内側を多く切ることにしています。
なお、小鼻の幅が広い事を専門的には広鼻翼といいますが、これには2種類あり、アグラ鼻と獅子鼻があります。前者は小鼻切除によって良い結果が得られますが後者はいまいち難しいと言えます。このあたりのことは図に書いて説明する必要があるので直接お尋ね下さい。

手術費用は15万円です。


4.鼻にシリコンをいれると寿命があるのでしょうか?10年後20年後には入れ替えなければならないと聞いたことがありますが?また、石灰化とは何のことですか?

4.基本的には(現在のメディカルグレードの材質の)シリコンそれ自体には心配する程の器質的な変化はないと思います。例えば、15年経過したら溶けるとか、脆くなって折れるとか、変形するとか、そういった不安は必要ないと思います。ただ、ある程度、シリコンの上をカバーしている皮膚は薄くなると思います。しかし、これは異物だからとゆうより物理的な要因が主であり、軟骨などの自家組織移植でもある程度皮膚は薄くなります。むしろ、長い期間に起こってくる変化として大事なのはシリコン周囲に生じる石灰化だと思います。これは、人体が埋入された異物に対して少しずつ慢性的な炎症反応などをおこす結果と思いますが、シリコンの周りに石灰(細かい砂のような感じ)が沈着するものです。
 私のクリニックでは再手術の時に患者さんから取り出したシリコンが1000以上ありますが、10年以上経過しているシリコンの周囲には量、程度は様々ですが、石灰化が良く見られます。ただし、この石灰自体は人体の作り出したもので基本的には無害です。ただ、その程度、量がある程度以上大きくなれば、皮膚表面から触ってザラザラ感があったり、もっと多くなれば、目で見ても多少の凹凸変化が確認できることもあります。そのような場合は、入れ替えたほうが良いかと思います。
 現在の材質に近いシリコンが使用されるようになってたかだか40〜50年ですから、100年人体に埋入されたシリコンを実際に確認した医者はいません。17年程、こういったシリコン摘出などの仕事をしてきた私の個人的な感想としては、シリコン入れ替えなどのやり直し手術全体の件数の中で、経過年月による理由での入れ替えは意外に少ないとゆう感じです。ですから、結論からいえば、我々医師側はあまり寿命のことを考えて手術はしておりません。


鼻の質問―各論

@鼻尖形成術について

1;鼻尖形成術というのは、鼻先の軟骨をしばるものなのですか?

1;厳密に言えば違います。手術の主要な部分はあくまでも、鼻先の軟骨上あるいは左右軟骨間に存在する脂肪組織を除去し、不必要な部分の軟骨を切除することであり、必ずしも鼻先の軟骨を縫合するわけではありません。逆に、組織の除去を行わずに軟骨を寄せて縫合しても、良い結果は得られないばかりか、かえって横顔のラインが丸く持ち上がった形になってしまいます。


2;鼻先を細くすると、正面からみてかえって小鼻が目立つことはありませんか?

2;ありえます。元々、鼻先を細くする手術は、ダンゴ鼻という"鼻の頭が大きくて小鼻はあまりはっきりしないタイプ"の鼻に向いている手術です。小鼻が横に大きく張り出していたり、鼻翼溝という小鼻の上方の影が強い場合は、鼻先を細くする手術は向かないか、あるいは、小鼻縮小を同時に行う必要があります。


3;鼻先を細くすると、鼻の穴は見えやすくなりますか?

3;なることもあります。ただし、これはネガティブな意味ではありません。鼻尖形成を行うと鼻の穴は少し縦長になります。人間の鼻の下面のラインは大体が少し上を向いていますから、縦長になった鼻の穴は正面から少し見えやすくなるのが普通です。見えやすくなったといっても見える輪郭が違っていますから、格好悪くなる訳ではないのです。


4;鼻先を細くする手術をすると鼻先が上を向いてしまいますか?

4;これは、目的によって違います。鼻尖形成術を行うときに、鼻先あるいは鼻柱を下に出したいという希望は多いもので、実際に細くする事よりも、そちらのほうがメインの目的になる場合も多くあります。ただ、そのためには、軟骨等の移植が必要です。日本人の場合、何らかの移植(耳の軟骨や、鼻自体の軟骨の再利用)が必要な場合が半数以上と思います。逆に、長すぎる鼻の場合は上に向くように考えて手術をします。


5;鼻先を細くすると横からみても尖った形に自動的になりますか?

5;なりません。白人のようにダンゴ鼻の要因が発達した鼻尖軟骨である場合は、正面、横顔が同時に、自動的に格好良くなる場合はありますが、多くの日本人の場合、正面像において鼻先が細くなる事と、横顔における鼻先が尖ることは、別の問題です。ですから、横顔においても鼻先が格好良く見えるために、必要な場合は耳の軟骨の移植を行う事があります。これらの事は、全くケースバイケースですから、実際に診察してみないとどのような手術が必要かはわかりません。


6;鼻先の手術において、細くしやすい鼻、細くしにくい鼻というのはありますか?

6;あります。基本的には、皮膚、脂肪、軟骨等の条件が白人に近い程、細くし易いと言えます。つまり、皮膚が薄く、脂肪が少なく、軟骨の発達が良い場合は手術がし易い、と思います。ただ、どんな条件でも、ある程度細くする事はできます。ただし、あまり、条件の悪い鼻を無理やり細くしようとすると、どこかしら不自然な影がでたりもします。ピンチノーズといって指でつまんだような形になりがちなので、なんでもかんでも細くすれば良いという訳ではありません。


7;鼻先の手術において、オープン法といって見える所を切る必要はありますか?

7;私は必要ないと思います。確かにそういった手術は他の国でも施行されていますし、日本でもその手術法を選ぶ医師も一定の割合でおられますが、私自身は採用していません。小鼻の場合は別ですが、鼻尖形成術においては、私は皮膚外面に傷をつける必要はないと思います。


8;鼻尖形成術では、術後テープやギプス等の固定が必要ですか?

8;必要です。私の場合、鼻先を細くする手術の後は手術の日を入れて6日間のギプス固定を行っています。ただし、その後は何もしません。(医師によっては、数ヶ月間、テープ等の夜間着用をする場合もあるようですが、私は必要ないと思っています。)

A鼻翼縮小術について

9;小鼻が横に広く張り出しているのを、外側に傷をつけずに手術できますか?

9;基本的には無理だと思います。そのような宣伝がある、あるいは、そうおっしゃっている医師が存在することは聞いていますが、私の考えでは少なくとも、小鼻の付け根の下の部分(鼻孔の入り口)には切開が必要と思います。


10;小鼻を小さくする手術をすると、かえって鼻先が大きく見える事はありませんか?

10;可能性がゼロではありませんが、この事をあまり気にしたことはありません。少なくとも、小鼻の手術によって、全体のバランスが問題になるケースはほとんど無いと思います。


11;小鼻が横に広ければ、必ず小鼻縮小術で良くなりますか?

11;それは、一概に言い切れません。ただ単に付け根が広いというだけでは、小鼻を切り取っても正面からみた小鼻の幅はあまり改善しません。下からみて、小鼻の張りがあり、小鼻の付け根の部分の鼻孔が丸い場合が、良い手術適応となります。正面像で言えば、アグラをかいたように見えるものは改善しやすい鼻です。


12;鼻先の手術と小鼻の手術は同時にできますか?

12;できます。ただ、逆に言えば、同時でなくてもできます。


13;小鼻の手術の傷というのは、どのくらい目立ちますか?

13;丁寧な手術であれば、あまり目立ちません。実際、長い間、鼻の修正手術を手掛けていますが、他の病院で手術されたケースでも、小鼻の傷の修正というのは、意外に少ないものです。(もちろん、あるにはありますが)
ただし、術後1ヶ月ぐらいでは、傷というのは少し赤みがあっても当たり前です。小鼻を切除する手術は、世界中で古くからかなり一般的な術式ですから、傷がとても目立つという心配は、あまりしなくて良いと思います。ただ、小鼻のわきは脂腺が発達しているため、必要がなければ、できるだけ、下のほうで切開を止めるようにしています。

B隆鼻術について

14;シリコンを鼻にいれていると、いつかは皮膚がやぶれて飛び出すというのは本当ですか?

14;概論のところでもお話したように、それはあくまでも無理なサイズや、無理な形のものが入っていて、しかも、かなり皮膚が薄くなってもそのまま放置した場合に限っての話です。かなり無理がかかって皮膚の色が赤くなったり、逆に、白くなったり、そのままほうっておいては危険であろうと、素人が考えても判る状態になっても放置していれば、破れる可能性はあります。ただ、普通そこまでの状態でも医者に行かない人はあまりいませんから、実際に皮膚が破れてシリコンが露出して来院されるかたはほとんどいません。私が実際に診察した事があるのは、開業して15年で10人ぐらいでしょうか?
ですから、普通に考えれば、そのようなことは起こらないと思います。


15;今、現在、シリコンが鼻に入っていて、形には満足しているのですが、将来、危険だという噂を聞いたので、自家組織などに入れ替えたほうが良いでしょうか?

15;私は、形が気に入っているのであれば、入れ替えないほうが良いと思います。言葉で説明するのは難しいのですが、シリコンのみで作られた鼻にはそれなりの形態というものがあって、それは、鼻尖形成術や自家組織移植とは、少し違ったものなのです。それが気に入らないのであれば、やり直すのはかまいませんが、形が気に入っている場合はむしろ、再手術によって後悔する事も考えられます。

Cワシ鼻の手術について

16;ワシ鼻を低くしたいのですが、病院によって、手術の大きさや料金がずいぶん違うのですが、どう考えれば良いのでしょう?

16;これは、おそらく、3つの違う方法があるからでしょう。最も簡単で、費用も安い場合は、単純にコブの骨部分のみをヤスリで削る方法の事だと思います。ただ、この方法が意味のある場合は意外に少ないと思います。鼻のコブは上半分が骨で構成され、下半分は鼻中隔という軟骨で構成されており、この軟骨部分にはヤスリはあまり効果がないからです。鼻骨の下端がほんの少し高く、しかも左右どちらかの頂点が少し目立つ、というような場合には意味がありますが、横顔の輪郭において、できるだけまっすぐにしたいような場合にはこの方法では無理な事が多いと思います。むしろ、コブの下半分が残ってしまって不満がある場合も散見します。
次に、考えられるのは、鼻中隔部分は、鼻の穴の中からしっかりメスで切除し、骨部分をノミかヤスリで落とす方法ですが、私の場合ではこの方法が最も多いと思います。
最後に、それに加えて鼻骨の左右(頬骨との境)もノミで分離して、中央に寄せる場合があります。実際、白人の世界でのワシ鼻の手術は、ほとんどこの方法がとられています。鼻の手術の中では最も大がかりなもので、術後の腫れもかなり強くでます。ただ、私が15年以上、日本人の鼻を手術してきて感じたことは、日本人では必ずしもこの左右の骨きりは必要ないという事です。なぜなら、高いといっても日本人と白人ではその高さにだいぶ差があり、左右の骨を切って寄せる必要があるのは50%に満たないと思います。
以上、1番目から3番目までの手術が考えられるので、その病院がどの手術を選ぶつもりなのかによって、料金も違ってきます。
私の病院では、1番目なら15万円、2番目で30万円、3番目で40万円(税別途)となっています。

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